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先日、e☆イヤホンで DH297-A1DR というヘッドホンを衝動買いしてしまいました。

試聴して音が良かったのはもちろんですが、バランス改造がしやすそうで面白そうだと感じたからです。自宅で一通り聴いて満足したあと、バランス改造に取り掛かりました。

ここに書いてあることを真似して、困ったことになっても私は一切責任を取りません。メーカーの保証が受けられなくなります。もしかしたら、作業で怪我をしたり、器物が壊れたりするかもしれません。何が起きても自己責任でお願いします。

最近、立て続けに 5~10 万円クラスのヘッドホンを購入し、金銭感覚が麻痺しつつあるのですが、改めて冷静に考えれてみれば DH297-A1DR の¥15,000 は安い金額ではありません。e☆イヤホンで試聴し、購入を決意するまでの 45 分間、自分の中でしょうもない寸劇が繰り広げられていました。

==== ここから気持ち悪い妄想 ====

購入しない理由を探していた…いや、購入するための正当な言い訳を探していたとき、脳内の真姫ちゃんが「今すぐ買わないと、ここで服を脱ぐわよ!」と脅しかけてきました。嫁入り前の真姫ちゃんの肌を衆目に晒すわけにはいきません。仕方がなく、店員に在庫を確認し、購入しました。

==== ここまで気持ち悪い妄想 ====

DH297-A1DR について

サトレックス ハイレゾ対応ヘッドホン(プラム)SATOLEX DH297-A1DR PLUM

スペック等の詳細はメーカーの公式ページをご覧ください。

ハイレゾヘッドホン 新モデル発売 | サトレックス 製品紹介サイト

この DH297-A1DR ですが、ものすごく軽いです。180g とのことですが、これだけ軽ければ首の負担もほとんどないようなもの。装着感も悪くなく、眼鏡をかけたままでも痛くなりません。

プラスチック(樹脂?)のような素材が多用されているためか、装着時にギシギシと音が鳴ります。しかし、大手メーカーの 2~3 万円台のハイレゾヘッドホンもギシギシと鳴るものがあるので、大きな欠点ではありません。

外見はアイアンマンカラーに近いですが、ゴールドの色味が違います。DH297-A1DR 単体で見ると格好良いですが、これを装着した人が格好良く見えるかは謎です。ファッションの一部としたとき、コーディネートに溶け込ませるのに気を使うかもしれません。もっとも、外でヘッドホンを着けてる人の多くは、(私も含めて)ファッションに疎い人が多いので、そういう人たちは余計なことを気にする必要はないでしょう。

さて、肝心の音のほうですが、一聴してみて驚きました。うまく文章が書けないので、感じたことを過剰書きで挙げてみます。

  • 解像度高い。クリア。
  • 高音はかなり伸びてる。
  • 中音は美しく、ボーカルが聞きやすい。
  • 低音はややスカスカにも感じた。装着のベストポジションを見つけると改善。慣れてくると非常にバランス良く鳴っていると感じた。
  • 空間の広さは、密閉型ならこんなものかな、という印象。

Web で評判を探してみると、FOSTEX TH900 やパイオニア SE-MASTER1、beyerdynamic T1 2nd Generation などの高級ヘッドホンに匹敵するようなことが書かれています。¥15,000 の DH297-A1DR が、10 万円を超える名機と渡り合えるのならばすごいことです。

手元に T1 2nd Generation があるので聴き比べてみました。

T1 2nd Generation は美音系で、ステージが広く安定感があり、沈み込むような深さを感じます。それに比べると DH297-A1DR はモニターに近い音色で、ステージは小さく軽く感じます。T1 2nd Generation は聴いているうちに寝落ちしてしまうほどリラックスできますが、DH297-A1DR は少々聴き疲れがあり、あまり長い時間聴いていられません。

高音・中音・低音というように、各帯域に注目して聴いてみますと、不思議と DH297-A1DR は T1 2nd Generation に負けてないように感じてきます。特に高音は、DH297-A1DR のほうが伸びているようです。音が良いってなんだろうな…と段々自信がなくなってきます。

スマホに直接刺して聴いてみたところ、T1 2nd Generation はもたつくような感じがしましたが、DH297-A1DR はハキハキ鳴っていて好印象でした。低インピーダンス・高効率のスペックからも明らかですが、DH297-A1DR はポータブル用途が向いているようです。

DH297-A1DR と T1 2nd Generation を比較したのはあまり適切ではなかったと後悔しています。価格差がかなりあるので、うかつなことを書くのに勇気が必要です…。とりあえず、両者の違いを個性と考えるか優劣の差と考えるかで、DH297-A1DR の評価は変わります。個性と割り切れれば、DH297-A1DR はかなりの実力があると言えそうです。そうでなかったとしても、DH297-A1DR は抜群にコストパフォーマンスが良いヘッドホンだということに変わりはありません。

似たような価格のところで、Sony MDR-CD900ST と比べてみますと、DH297-A1DR のバランスの良さが際立ちます。解像度はやや MDR-CD900ST のほうが高い気がしますが、気のせいレベルです。曲を楽しんで聴くのならば、DH297-A1DR のほうが断然向いてるように思います。

完全に余談ですが、T1 2nd Generation は初代 T1 に比べて高音が大人しくなったと言われます。確かに、曲によっては物足りなく感じることもありますが、高音をリアルな音像で攻めているヘッドホンは他にも色々あるので、特に求めません。T1 2nd Generation には高音に特徴が出る銀線が似合うという意見を耳にしますが、銀線を使うと低音が細り、ド安定のバランスが失われて好きではありません。

ティアック セミオープン型テスラテクノロジーヘッドホン beyerdynamic T 1 2nd Generation T 1 2nd Generation

SONY 密閉型スタジオモニターヘッドホン MDR-CD900ST

両出しバランス化改造

まずは分解です。

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イヤーパッドは端っこをつまんで引っ張ることで簡単に外すことができます。現在イヤーパッドの交換品は販売されていないので、間違って破かないように注意しなければなりません。

イヤーパッドを外すと、一面に黒い吸音材のような物が張りつけられていることが確認できます。しっかり接着されているようで、無理に剥がすと破けてしまう恐れがあります。無くても良いかもしれませんが、音が変わってしまう恐れがあります。

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今回は、必要最小限の穴を開けて対応しました。指で触ってねじの位置を確認し、カッターナイフで切り込みを入れ、ピンセットで穴を広げるとネジ山が確認できますので、プラスドライバーを差し込みねじを外しました。

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ねじを外すと、ドライバーと対面できます。

単純にバランス化するだけなら、この時点で基板ごと 3.5mm ジャックを取り外し、代わりに 3.5mm 4 極のジャックを取り付ければ OK です。配線は見ればすぐわかりますし、+-の記号がドライバの基板に書かれているので、接続対応に悩むことはないと思います。

今回は、さらに両出し改造も行いました。

両出し改造の必要性を説明するために、左右のユニットのインピーダンスを計測してみました。テスターでいい加減に測ったもので、どの程度信用できるのかは不明ですが…。

Hot 側の抵抗値 Cold 側の抵抗値
左 3.5mm ジャック
→ 右ドライバ
0.4~0.6Ω 0.5~0.7Ω
左 3.5 mmジャック
→ 左ドライバ
0.1~0.2Ω 0.1~0.2Ω

例えば、音にこだわって高級プラグを使用しても、安物プラグに対して数ミリΩしか改善できません。しかし、ヘッドホンが片出しのとき、左右のドライバのインピーダンスの差は数百ミリΩあり、なんとプラグの 100 倍近い数値が現れます。左右のインピーダンスの違いは、サウンドステージのバランスに関わります。音にこだわるのならば、まず片出しを改善すべき…というのが私の持論です。

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写真はピンボケですが、右側のドライバです。よく観察すると、接続に用いている線材が左側のドライバと異なることがわかります。左側のドライバは赤と茶色のリッツ線ですが、右側のドライバは白と黒のビニールのような被膜線です。太さも異なります。

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線材の違いでインピーダンスの差が生じるのは嫌なので、白黒線に統一しました。ヘッドバンドを外すと、左右のユニットを繋ぐ白黒線が露出するので、配線に必要な長さ分だけカットしました。

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続いて、右ユニットに 3.5mm ジャックを取り付けるための加工を行いました。まず、穴を開ける位置にマジックで印をつけ、ケガキ針で傷をつけた後、ピンバイスで穴を開けました。穴は 3.5mm ジャックに比べるとずっと小さかったので、さらにリーマーを使って拡張しました。

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穴を開けた後、3.5mm ジャックをホットメルトで固定しました。なんだか汚くなってしまいましたが、外からは見えないので OK としました。

uxcell イヤホン 基板実装 4ピン 3.5mm ステレオ ジャック メス コネクタ 20個入り

左ユニットは、元からついている 3.5mm ジャックを再利用しても良かったのですが、念のため右ユニットと同じ 3.5mm ジャックで作り直しました。

ドライバと 3.5mm ジャックの間を先ほどの白黒線で配線し、組み立てて完成です。

音は…結構変わったと思います。左右の分離が良くなり、よりハキハキした感じです。良い改造だったと思います。

リケーブルとケース

手持ちのケーブルをいくつか試してみました。バランス化 DH297-A1DR は、銀線が割と合います。銀線は高価ですが、少し太めの物で低音をしっかり出してやると良い感じです。また、オヤイデ 102 SSC も結構好きです。102 SSC はコストパフォーマスが良いので、外出で使うのならばこちらのほうが向いてるかもしれません。OFC 線は無難といった感じでしょうか。

ケースは、いくつか購入してみて、ぴったりなのが見つかりました(やや窮屈ですが…)。無理に購入する必要はなく、付属の袋でも十分だと思います。

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PURPLE 7 ヘッドホンケース 小型~ミドルサイズのヘッドフォンに対応 イヤホン・ヘッドホン キャリング ケース 縦20cm×横18cm×幅10cm コード結束バンド付き

おまけ

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両出しバランス化 DH297-A1DR と、結局脱いでしまった西木野さん。服の下には水着を着ていました。