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Pioneer SE-MHR5 をお借りする機会に恵まれて、ここ三日くらい聴いています。返却する前に備忘録を兼ねて感想などを。

Pioneer ヘッドホン PREMIUM SOUNDシリーズ 密閉型/オーバーイヤー/ハイレゾ音源対応/バランス接続対応/折りたたみ式 ブラック SE-MHR5

Pioneer SE-MHR5 は、インピーダンスが低く(45Ω)、能率が高く(102dB)、折り畳み可能で、付属ケーブルは短く(1.2m)、バランスは 2.5mm 4極。据え置きヘッドホンアンプで楽しむというよりも、SONY MDR-1A やオーディオテクニカ ATH-MSR7 同様、ハイレゾをポータブル機器で楽しむようなコンセプトの製品だと思われます。

両耳の耳殻に圧力をかけて固定するオンイヤータイプです。側圧はやや強めです。眼鏡をかけていると、たちまち耳が痛くなってきます。眼鏡を耳から半分はずしてかけるような工夫で回避可能ですが、野外では難しいでしょう。眼鏡をかけていなくても、耳が押しつぶされて痛みが生じはじめ、三時間で我慢できなくなりました。このあたりは個人差があると思いますが、連続で三時間も聴ければ充分という考え方もできます。

形状はどことなく beats 他社製ヘッドホンに似ていますが、配色は独特です。ブラックを基調とし、シルバーとカッパー。この刺し色のカッパーは好みが分かれるのではないかと思います。ヘッドホンは、単体での美しさ・かっこよさはもちろんですが、それ以上にファッション性が重要です。形は他社製に似ていますが、ファッション性はその域に達していないように感じます。どうでもよいのですが、この手の質感のシルバーを見ると、メカゴジラやモゲラを思い浮かべてしまいます。

ケーブルは、アンバランスケーブル(3.5mm 3極 ⇔ 2.5mm 4極)とバランスケーブル(3.5mm 4極 ⇔ 2.5mm 4極)が付属します。3.5mm プラグにロック機構があり、特殊な形をしているので、リケーブルには注意が必要です。採寸してみましたので、参考にしてください。

mhr5プラグ

あるいは、細い延長コードを使うのも手であると思います。下の商品を試したところ、根元までしっかり刺し込むことができました。

音質など

高域はこもり、中域は響かず、低域は何か妙な場所で鳴っている…最初に聞いたときはとんでもない製品だと思いました。こんなものに、どうしたら2万円も払えるのか!と。聞き続けてわかったことですが、ほとんど鳴らしていない物をお借りしたようで、まったくエージングがされていなかったのでした。

10 時間ほど鳴らし続けて、すっかり音が変わりました。すっきりとしていて、聞きやすい音です。空間は狭く、ボーカルはすぐ近くで歌っているかのようです。過剰な味付けがなく、自然な鳴り方です。しかし、フラット指向…かと思いきや、低域に物足りなさを感じました。強く細く存在感のある低音ですが、何か足りない…。

下図のように、適当にイコライザーで低域を盛ってやったところ、聴覚上のフラットに近づいたような気がします(?)。すっきり感や、ボーカルの近さが失われますが、個人的にはこちらのほうが好印象です。素の SE-MHR5 の音の特徴は、低音を抑えめに鳴らすことで、すっきりと聞かせるヘッドホン…といったところなんでしょうか。

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高音・中音・低音、それぞれ普通で、過剰さがない分むしろ無難と言うべきでしょうか。私は、低域が抑えめであることが気になりましたが、全体的に良い音だと思います。

 Pioneer SE-MX8 との比較

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アニメとコラボしまくっている SE-MX8 です。この売り方はオーディオメーカーとしてどうなんだ…という気も少しだけしますが、きっと背に腹を変えられぬ事情があるのでしょう。私が持ってる SE-MX8 もコラボモデルなので、否定する気はありません(むしろラブライブ!コラボ製品もっと出して!)。

同じような価格で、なんだか見た目まで似ている SE-MHR5 と SE-MX8 ですが、音の傾向は違います。SE-MHR5 は前述の通り、すっきりとした音ですが、SE-MX8 は反対に低音が強烈で、地の底から鳴り響くような鳴り方です。

どちらが優れているかは、性能というよりも好みの問題だと思います。私は SE-MHR5 のほうが好きです。

 グランド分離とアンバランスの比較

Chord Mojo によるグランド分離/アンバランスの比較を行いました。手元にバランスアンプがあるのですが、不調のため今回バランスでの試聴は諦めました。

(アンバランス)
SE-MHR5 ⇒ 付属のアンバランスケーブル ⇒ Mojo

(グランド分離)
SE-MHR5 ⇒ 付属のバランスケーブル ⇒ 自作変換ケーブル(2.5mm 4極 ⇒ 3.5mm 3極×2)⇒ Mojo

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変換ケーブルの線材には「ナノテックシステムズ MUSIC STRADA #208」を用いました。グランド分離は、この変換ケーブルの音が加わるので厳密な比較にはなりませんが、そこは妥協せざるを得ません。どうせ主観による比較なので、元より厳密性などありません。

両者を聞き比べてみますと…差を感じます。グランド分離のほうが明らかに良いです。音の定位がはっきりして、ぐっと安定感が増します。上のほうで、低音が不足しているようなことを書きましたが、これほどしっかり鳴っていると、あまり気にならなくなりました。SE-MHR5 は可能であるならば、バランス接続または、グランド分離で使用すべきです。

ちなみに、(真似をしないでもらいたいのですが)アンバランスであっても、バランスケーブルを用いたほうが良好に聴こえました。ケーブル内のクロストークが無くなるためと思われます。

(アンバランス2)
SE-MHR5 ⇒ 付属のバランスケーブル ⇒ 自作変換プラグ(2.5mm 4極 ⇒ 3.5mm 3極)⇒ Mojo

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「2.5mm 4極 ⇒ 3.5mm 3極」の変換プラグ自体がほぼ入手不可能なので、あまり意味のない情報です。Amazon に類似の変換プラグがいくつも販売されていますが、ほとんどが似て非なる物です。ピンアサインを確認できる人以外は手を出すべきではありません。プレイヤーやアンプが煙を出して壊れる可能性があります。

 パイオニアに期待すること

同社のヘッドホンは、ポータブル用途を狙ったような2万円以下の製品が目立つので、据え置きアンプで聴くのに適した3~5万円のヘッドホンを出してほしいところです。同社には SE-MASTER1 という良い製品がありますが、20 万円オーバーという価格は手が出しづらい。SE-MASTER1 をコストダウンしたような製品を期待しています。

家でヘッドホンを使うのは理解できない、家ではスピーカーを使うべきだ…という意見をよく耳にします。しかし、私はそうは思いません。スピーカーには、致命的な弱点があります。それは、家族の迷惑になることです。これは難しい問題です。

自分にとって名曲かつ至高の音であっても、家族にとっては騒音かもしれません。家族でテレビを囲み、同じ番組を見て、同じ音楽を聴く。もはや、そのようなひとつの価値を共有できる時代ではありません。家族であっても、接する曲・好む曲は全く異なるのです。

というわけで、家の中でスピーカーの代わりに使えるようなヘッドホンを期待しています。

あとは、据え置きのヘッドホンアンプにも期待したいです。同社には U-05 という USB DAC 兼ヘッドホンアンプの製品があります。多機能で価格も(比較的)安いのですが、気になるところがあります。まず、アンプ部の音にクセがあります。高音寄りで、固く冷たくキンキンしたような、寒色系サウンドです。実は私も U-05 を所持して使っているのですが、アンプ部の寒色系の音とヘッドホンとで相性が出やすかったため、DAC のみを利用し、アンプは別の物を使っております。DAC としては良い製品で、そこは気に入っております。

また、U-05 を使用し始めて数カ月で、ボリュームからガリが発生しました。初めて遭遇した現象だったので壊れたのかと驚いてしまいました。しばらくボリュームをいじらずに使用していたことが原因ですが、保証期間内にこういうことが起きるのはどうなんでしょう。よくあることなのでしょうか?まあ、ガリだということさえ判ってしまえば、Web で調べて簡単に治せるのですが…。

というわけで、U-05 の後継となる製品…今度はもう少し隙のない製品をお願いします。今使っている U-05 が壊れそうなタイミングくらいで…。

あと、ラブライブ!コラボの第2弾お願いします。時代は Aqours に移りつつありますが、あえて今 μ’s でコラボすれば μ’s ロスの人たちにバカ売れですよ!(無責任発言)